園からこんにちは

11月のこころ…できること?いいえ、考えることA

  • 2018年11月05日(月)

「育ちのスイッチ・オン」の次は、「考える力をこそ育てよう」に取り掛かりましょう。

学習で最も大事なことは「思考力」「発想力」であって、今や日本の中高生たちは「考える教育」に取り組んでいます。
でも、実は幼児期にこそ、「考える教育」を最優先されるべきでした。
幼児期にこそ重んじられるべき「考える力を育てる」ことが後回しにされて、「できること」優先の育ちを求められてきたツケを、子ども自身が中高生になって払わされていると言えるでしょう。
「ナニゴトニモジュンバンガアル」のです。
読み書き計算にいくら優れていても、オムツが取れないなら(トイレが自立できないなら)、なんとアンバランスな育ちか、です。

トーマス・アルバ・エジソンをご存知でしょう。
生涯におよそ1,300もの発明と技術革新を行ったアメリカの発明家です。
蓄音器、白熱電球、活動写真など、エジソンの発明が、今の私たちの生活必需品のルーツとなっています。
このエジソンさん、少年時代はなかなかの手ごわいこどもだったようです。
少年時代のトーマスは、異常なほどの知りたがり屋でした。
小学校に入学し、算数の授業中に「1+1=2」と教えられても鵜呑みにすることができず、「1個の粘土と1個の粘土を合わせたら、大きな1個の粘土なのになぜ2個なの?」と質問します。
英語の授業中にも、「A(エー)はどうしてP(ピー)と呼ばないの?」と質問するといった具合。
授業中には事あるごとに「Why? (なぜ?)」を連発して、先生を困らせていました。
また、その様な好奇心は学校内に止まらず、ガチョウの卵を自分で孵化させようとして、卵を抱き抱えてガチョウ小屋の中に何時間も座り込んだり、「なぜ物は燃えるのか」を知りたいと思い立ち、藁を燃やしていたところ、自宅の納屋を全焼させるなどの事件を起こしたこともあったそう。
挙句、最後には担任の先生から「君の頭は腐っている」と吐き捨てられ、校長からも「他の生徒たちの迷惑になる」と言われ、入学からわずか3か月で退学することとなったとのことでした。

つまり、エジソンがエジソンであるゆえんは、「Why? (なぜ?)」にあるのです。
まさに、この「Why? (なぜ?)」こそ『考える力』のこと。
エジソンのすごさは、『考える力』だったのです。

そして、このエジソンの力を引き出したのは、学校ではなく、先生でもなく、「エジソンのママ」でした。
エジソンのママ「ナンシー」は、学校から見放されたエジソンを徹底的に守り、エジソンを非難する教師と立ち向かいました。
そして、「それなら私が育てます」と、エジソンの「Why? (なぜ?)」に徹底的につきあいました。
ナンシーは、決して「Why? (なぜ?)」を否定しなかったのです。
ここに注目しましょう!

子どもの「なぜなぜ攻撃」は、疲れているときにはツライものがあります。
それはよ〜くわかります。
でも、子どもが一生懸命考えているのなら、ちょっとでもいいから付き合ってあげようね。 〔園長:飯塚拓也〕

10月のこころ…できること?いいえ、考えること@

  • 2018年10月05日(金)

10月1日に、嬉しいニュースが世界を飛び回りました。
そう、今年のノーベル医学生理学賞に、京都大特別教授の本庶佑さんが選ばれたのです。
免疫の仕組みを利用した、新たながん治療薬の開発に大きな働きをしたことが、本庶さんのノーベル賞受賞につながったとのことでした。
この数年間に、毎年のように日本人がノーベル賞を受賞し、私たちの中にもノーベル賞への関心が高まったと思います。
もしかしたら、竜ケ崎幼稚園の卒園生から、将来ノーベル賞を受賞する人が誕生するかもしれない(ぜひそうなったら嬉しいなぁ)と考えると、それだけでワクワクします。
というのも、日本人のノーベル章受賞者には、ある共通点があると思うからです。

本庶佑さんについて、新聞では「とことん極める人」と紹介していました。
性格的に突き詰めて考える人で、趣味のゴルフの練習でも余念がなく、家庭での会話ですらも中途半端に終わらせない人だそうです。
本庶さんご自身、自身の研究観として、「六つの『C』が時代を変える研究には必要」と説きます。
この「C」は、英語表記で、「好奇心(Curiosity)」、「勇気(Courage)」、「挑戦(Challenge)」、「確信(Confidence)」、「集中(Concentration)」、「継続(Continuation)」の頭文字を指し、これらの「六つの『C』」を追い求めたのが、本庶さんの研究の姿勢、「本庶さんのこだわり」だったそうです。

何をするのも一生懸命で、何があっても決してあきらめない。
大学生時代のエピソードに、「徹夜でマージャンをした後、『セミナーで論文の発表をする当番や。帰る。』と言って帰ったそう。
周囲は、「そんな大事なセミナーなら、マージャンなんてしなければいいのに」とあきれるのですが、当のご本人はケロリとしたもので、「マージャンもして、勉強もする。時間を最大限に使って、まさに『よく学び、よく遊んだ』学生時代だった」と振り返っているそうです。

日本人のノーベル賞受賞から教えられるのは、受賞者の子ども時代のことで、そこで受賞者に共通しているのは、早期教育を受けて育った人は誰一人いないということです。
自分で目標を見つけて自ら取り組む姿勢でした。
「好きなことをとことんやりなさい。でも、途中で止めたらダメですよ。」が、受賞者に共通していることです。
そして、途中では、きっと「もう無理」「もうやめよう」との闘いが何度もあっただろうと思います。
でも、くじけなかったのです。
そんな「こころの強さ」に、私たちは学びたいのです。

「こころの強さ」は、「こころが折れないこと」と言い換えてもいいでしょう。
この「こころが折れない」ことが、成功の原動力です。
アスリートたちが自分を振り返る言葉の中にも、「何度もこころが折れそうになったけれど、でもこころが折れなかったから今の自分がある」と聞きます。
さあ、「こころの強さ」を、幼児期にこそ育てましょう。
子どもたちが毎日に夢中になり、自分の好きなことに熱中すること。
そこでは、子ども自身の主体性が尊重され、大人の介入は最小限であること。
そして、逆に、子どもの存在が否定されず、ありのままの自分が受け入れられることを大切にしましょう。
私たちは、未来のノーベル賞受賞者を育てているのです。        〔園長:飯塚拓也〕

9月のこころ…『まなこパッチリ』でいこう!D

  • 2018年09月13日(木)

今年度の「園からこんにちは」では、「育ちのスイッチ・オン」について書いています。
「脱・オムツ」、「早寝・早起き」、「朝ごはん」、「脱・メディア」について書いてきました。
今回は、この「育ちのスイッチ・オン」について、まとめてみたいと思います。

7月の「園からこんにちは」で、「私たちの身体には、時計が内蔵されている」って書きました。
「体内時計」が、「太陽が昇ると目覚めて活動が始まり、日が落ちると休息するよう、リズムを刻む」のです。
いい方をかえると、「人間は『昼行性の動物』」なのです。
ここに注目しましょう。
そもそも、地球に動物が誕生すると、動物たちは、夜行性の動物と昼行性の動物とに分かれて進化の道をたどることとなりました。
夜活動するか、昼活動するかは、それぞれの動物の進化においては、基本的なことで、とても大切なことと言えます。

動物の中で、人間(ヒト)はどうでしょうか。
夜行性?それとも、昼行性?
言うまでもないことですが、人間(ヒト)は700万年前から、昼に動き夜に休む道をたどってきました。
そう、「ヒトは『昼行性』」なのです。
光を感じて動き、闇を感じて休む生き物なのです。
この「昼行性」という仕組みを、私たちは体の中において、「昼行性」という仕組みの中で育つのです。

でも、これはとっても皮肉なことなのですが、ヒトが作り出した便利な社会は、先に書いた「昼行性」とは逆の生き方を私たちにもたらすこととなっています。
それは、例えば「いつまでも明るい社会」です。
街に出ると、必ず一晩中どこかで電気がついている社会です.
LEDの発明は省エネでは画期的なものですが、「24時間明るい社会」を加速させました。
この何が問題なのかというと、「人は『昼行性』」への影響です。
私たちの生体リズム、生活リズムが大きな影響を受けていることを、子どもの育ちに関わる者、特に保護者の皆様には意識していただきたいのです。

最後に、具体的なことをお話ししましょう。
「だから、早寝、早起き、朝ごはん、脱テレビ」のことです。
700万年も今も、変わらないことが一つあります。
それは、「一日は24時間」で、問題は、この「一日は24時間」の使い方です。
「24時間を、どのように使うのかいいか」と考えましょう。
この考え方の基本を、「光・闇・外遊び」と考えてはどうかと、日本体育大学の野井真吾先生が提案しています。
「早寝・早起きはわかってるんだけど、実際は…」の私たちに対して、「それでは、これはどうでしょう」という提案です。
具体的で、わかりやすい提案ですね。
「光」は、活動の時間。
「闇」は休息の時間。
そして、活動の時間には「外遊び」と考えることに、私も強く共感します
。便利な時代だからこそ、子どもたちの本来を考えてあげましょう。
[園長:飯塚拓也〕

8月のこころ…『まなこパッチリ』でいこう!C

  • 2018年09月13日(木)

子どもたちがお家で過ごす時間が多くなるこの8月です。
ぜひお家で大切にしてほしいと願うことが「ビデオやゲームに関して」です。
「豊かな国」と称される日本の子どもですが、実は「からだと心のSOS」がたくさん出でいることが最近の研究で分かってきました。
日本小児科医会が出している二つの提言を紹介します
。具体的な内容ですので、子どもの健康と健やかな育ちのために実践しましょう。

@提言「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」
1 2歳以下の子どもには、テレビ・ビデオを長時間見せないようにしましょう。内容や見方によらず、長時間視聴児は言語発達が遅れる危険性が高まります。
2 テレビはつけっぱなしにせず、見たら消しましょう。
3 乳幼児にテレビ・ビデオを一人で見せないようにしましょう。見せるときは親も一緒に歌ったり、子どもの問いかけに応えることが大切です。
4 授乳中や食事中はテレビをつけないようにしましょう。
5 乳幼児にもテレビの適切な使い方を身につけさせましょう。見おわったら消すこと。ビデオは続けて反復視聴しないこと。
6 子ども部屋にはテレビ・ビデオを置かないようにしましょう。
A[『子どもとメディア』の問題に対する提言]
1 2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3 すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。
4 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。
5 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作りましょう。

6月のこころ…『まなこパッチリ』でいこう!A

  • 2018年06月14日(木)

先月の園からこんにちはの5月号で、二つのことをお願いしましたね。
「親子でしっかりとまなざしを交わそう」と、「脱・おむつ」です。
取り組んでいますか?
この二つは、子どもが育つために本当に大切なことなのです。
それは、この二つを通して『育ちのスイッチオン』が始まるからです。
子どもは、育ちのスイッチがオンになっていないと、どんな良い活動を与えても受け身になります。
そこでは、教育的な効果も期待できません。
幼稚園では子どもたちのために環境を整え、様々なカリキュラムを作ります。
子どもたちに働きかけて、子どもたちの内なる力を刺激し、子どもたち一人一人の力が最大限に発揮されることを目指します。
そのような園での日々のために、お家でしてほしいことが、「子ども自身の『育ちのスイッチ』がオン」になることです。
このために、「親子でまなざしを交わす」と、「脱・おむつ」への取り組みをお願いしたいのです。

最近、目が合わない子どもが目立つように思います。
まなざしを交わすことは人間関係の基本で、『目と目で、お話し』で、目が合うことで意思が通い合い、そこから会話が生まれます。
だから、「目を合わせること」は、何としても身につけてほしいことです。
先月も書きましたが、家事や育児、雑事に追われ、つい注意する言葉や指示する言葉が中心になりがちかも。
でも、一日のうちわずかでもいいので、ぜひ子どもと見つめ合ってください。
どんなに忙しくても目を合わせることは大切に。
それこそが、子どもの心に響くのです。
子どもの原体験は、ママやパパとの体験です。
「目を合わせる」原点も、「親子で目を合わせる」ことにあります。
ぜひお願いします。

6月に入り、暖かくなりました。時には、夏を思わせるほどの気候となりました。
さあ、「脱オムツ」に取り組みましょう。
もちろん、年齢がありますから発達段階を無視しての「脱オムツ」ではありません。
障がいのある子には、排泄そのものが障がいですから、無理はさせません。
そのうえで、「3歳になったら、脱オムツ」と考えてください。
そして、すみれ組に進むにあたっては、トイレの自立を果たしたいものです。
いつも言っているように、育ちの順番は「知識の取得の前に、生活の取得」です。
幼児期は、「生活力の取得」を果たす時期で、この時期を基礎として「知識の取得」が行われるべきなのです。
子ども自身が「大きくなった、達成感を喜ぶ」ことが、子どもの未来の扉を開けるのです。

子どもはどこで「大きくなった」を実感するのでしょうか。
また、どこで「大きくなった」ことを感じてほしいでしょうか。
極端な言い方をすると、オムツをしてトイレの自立ができていないのに、文字や数字、英語ができるとしたら、なんとアンバランスなことかと思います。
「ボク、大きくなった!」「ワタシ、頑張れる!」と、子どもの心の目がパッチリと開くことで、子どもは自分に自信を持って、自分を確かな存在と感じるのです。
これが、育ちの始まりです。 〔園長:飯塚拓也〕

4月のこころ…「包まれる」ことの大切さ

  • 2018年04月25日(水)

2018年度が始まりました。
今回、この4月号の発行が遅れましたことをまずお詫びします。
この「園からこんにちは」は、幼稚園から保護者の皆様へのメッセージとしてとても大切にしています。
それは、単なるスケジュールのお知らせではなく、何を大切にしたいのかが込められているということです。
ファイリングして時折読み直し、子育てのための参考としてくださいね。
竜ケ崎幼稚園はキリスト教主義の幼稚園ですから、年間と月間の聖書の言葉と年間と月間の主題を大切にします。
その2018年度の年間のテーマが、「『イェスさまとともに生きる』〜愛の交わりの中で〜」です。
「イェスさまとともに」は、イェスさまが誰よりも子どもを愛して、子どもを自分の一番近くにおいたことを子どもたちに伝えたいという願いが込められています。
子どもたちが、イェスさまの愛によって育ち、守られて大きくなることを祈りながらこの一年間を歩みましょう。

「子育てのコツ」は、「子どもを愛して、愛して、愛しぬく」ことです。
もちろんそれは、「溺愛」ではありません。
なんでも許して、なんでも受け入れ、子どもがしたい放題に過ごすということではありません。
子どもたちには、年齢に応じた育ちの道を歩んでもらいたいのです。
子どもが、その育ちの道を自ら歩もうとすること。「ボク、大きくなりたい!」が、その子の内側から湧きあがってくるために、「子どもを愛して、愛して、愛しぬく」が必要なのです。
違う言葉で言いましょう。
それは、「ボクは生まれてきてよかった!」「ワタシのこと、ママやパパ、みんなが喜んでくれている」との『実感』です。
<自分の存在が受容されている、しかも、条件付きではなく全面的に受容されている>
これが、子どもの育ちの原動力になるのです。

この4月に幼稚園のスタッフが何よりも大切にすることは、「子どもたち一人ひとりを、愛で包み込む」ことです。
子どもたちが、自分が受容されていることを知ることを、幼稚園の一年の始まりにおくのです。
ありのままの自分が受け入れられていることを知って、子どもたちは園に自分の居場所のあることがわかり、園生活を頑張ろうとするのです。
まさに、キリスト教保育の出番です。
また、子どもたち一人ひとりと真剣に向き合います。
子どもたちの中には、「育ちの種」が蒔かれていますから(すべての子どもに、神さまは「育ちの種」=内的「力」を備えて生まれさせてくださっていることを、スタッフは信じています)、その種の芽生えを祈って、子どもたち一人ひとりと真剣に向き合うのです。
子どもは、大きな愛に包まれてこそ、成長の道を歩みます。
子どもにとって一番の不幸は、愛されないことです。
愛された実感が満たされれないままで育つことで、自分への自信も友だちを大切にすることを失って育つことが何よりもこわいことです。
まず、
パパとママの大きな愛で子どもを包みましょう。ここから始めましょう。
    [園長 飯塚拓也]

3月のこころ…「まなざし」で子どもは育つF

  • 2018年03月05日(月)

『親は、子どもから喜びを受け取る最初の人』を覚えていますか?
子どもの育ちで大切な親の役割は『自分が生まれて良かったという満足感と、愛されているという実感。そして、自分が親に喜びを与えているという実感』ですから、子どものことではちょっとしたことでもおおげさに喜んであげてくださいね。
この園からこんにちはも、2017年度の最後の号となりました。
ほし組さんにとっては、卒園の月です。
この「月のこころ」で書いていることは、幼児期にとどまらないことです。
できれば卒園後も時折眺めて、「何を大事にしたらいいか」を確かめてほしいと思っています。

2017年度の「幼稚園美術館」をしてくださった作家の上野素美子さんが、展覧会を終えるにあたってこんな言葉をくださいました。
それは、「学力プラス『心の文化』は、大切に育てて下さい。」です。
大事にしたい言葉ですね。
心に刻みたいと思います。
この『心の文化』は、目には見えづらく、「目にみえる力」がつい優先されがちです。
でも、いくら「目にみえる力」が伸びても、『心』が育っていなければ、それは何の意味もありません。
なぜなら、「『心』が、見える力をコントロールする」のですから。

最近よく聞くことばとして、「非認知能力」があります。
『自ら興味・関心や意欲を保ちながら、周囲との関わりの中で、粘り強く物事に取り組む力』と白梅大学学長の汐見稔幸先生がまとめてくださっています。
小学校以降の学力を、「認知能力」=いわゆる知識や読み書きといった「学力」と位置づけ、それに対して、幼児教育は「非認知能力」=学びに向かう姿勢ととらえます。
そして、「生涯にわたって、その人らしく豊かな人生を歩むためには、認知能力と非認知能力をバランスよく育むこと」が、最も大事なことと、多くの研究成果がしめしているのです。
どうかこれからも、「心の育ち」「目にみえない力」をこそ、大切にしてください。

この時期にこそ味わいたい詩を紹介します。
我が子を想いながら、味わいましょう。
【6つになった】(「くまのプーさん」で有名なA.ミルンの詩集[いま、わたしは6才]より)
1つのときは なにもかも はじめてだった
2つのときは ぼくは まるっきり しんまいだった
3つのとき ぼくはやっと ぼくになった 4つのとき ぼくは おおきくなりたかった
5つのときは 何から何まで 面白かった
いまは 6つで ぼくはありったけ おりこうです
だから いつまでも6つでいたいと ぼくはおもいます

[園長 飯塚拓也]

2月のこころ…「まなざし」で子どもは育つE

  • 2018年02月01日(木)

「幼児は夢をつむぐお部屋」を続けましょう。
この言葉は、私が師匠と仰ぐ青木敬和先生の言葉です。
クリスマスにサンタさんを想って胸をふくらませる、あの幼児期ならではの「サンタ体験」こそ、「夢をつむぐお部屋」にほかなりません。
そして、やがて大きくなるにつれてサンタの正体は見破られ、夢をつむぐ部屋からサンタはいなくなるのですが、ふくらんだ夢をつむぐお部屋はしぼむことなく、一生使う『夢工房』が作動し続けるのです。
このように、まことに「幼児期とは、一生の基盤を形成する時期」なのです。
だから、子どもたちが今取り組んでいる「夢つむぎ」を大切にし、やさしく見守ってほしい。
間違っても、子どもが夢をつむいでいるその時に、「なにバカなことやってんのよ」みたいに、ツメタク一べつし、夢をぺっしゃんこにしてしまうことは避けてほしいと思います。
「やさしい、あたたかいまなざし」が一番大事なことを確認しましょうね。

さて、子どもたちに「夢つむぎ」を熱中してもらいたいのですが、ここでも親の役割の大きいことをお伝えしましょう。
子どもが日々の生活を意欲的に生き、元気に成長していくために、親には大切な役割があります。
それは、『親から満足され、愛されているという実感と、自分が親に喜びを与えているという実感が、子どもに元気を与える』ということです。

ここには二つのことが含まれています。
一つは、「親から満足され、愛されている」という実感です。
これは、実は子どもに限ったことではありません。
私たちの元気や意欲は、「自分のありのままの姿」が受け入れられ、認められていることから湧いてくるものです。
「私はこのままでいいのだ」という安心感や自信が、私たちの元気や意欲のもとです。
大人でもそうなのですから、ましてや子どもには、「私はこのままでいいのだ」がもっともっと必要です。

もう一つは、「自分が喜びを与えている」という実感です。
これも子どもに限ったことではないのですが、私たちは、誰もが相手に喜びを与えることに大きな喜びを感じるものです。
そして、喜んでくれる相手の姿から、元気や意欲をもらうのです。
クリスマスに歌った、「クリスマスプレゼント」の歌詞に、「クリスマスプレゼント ママには絵本をよんであげる やさしいきもちになるように ぼくがよむクリスマス」とありましたね。
ここには子どもの気持ちが代弁されています。
それは、「みんなを喜ばせたい」という気持ちです。
「みんながボクのことを喜んでくれている」が、子どもにとっての元気と意欲のもとになるのです。
だから、子どもが与えようとする喜びを、しっかりとキャッチしなくてはなりません。
子どもにあれこれ求める前に、喜びを受け止めましょう。

だって、『親は、子どもから喜びを受け取る最初の人』なのですから。

園長 飯塚拓也

1月のこころ…「まなざし」で子どもは育つD

  • 2018年01月12日(金)

2018年、新年あけましておめでとうございます。
今年も、この「園からこんにちは」と「こころキラキラセミナー」を通して、『本当に大事なこと』をお伝えしていこうと願っています。
どうかよろしくお願いします。

今年も、「子どもを真ん中にはさんで歩もう」でいてほしいと思います。
そうしたら「おめでとう」とは、「子どもの育ちのこと」となります。
そんな「オメデタイママとパパ」でいましょう。

さて、朝日新聞の年頭の連載記事に「耕論:希望はどこに」がありました。
若い世代の方々が登場し、それぞれに自分なりの希望を語ってくださったのですが、とてもステキな連載でした。
その中に、小林さやかさんが登場し、「『わくわく』を見つける力を」とのメッセージを寄せられていました。
ご存知のかたも多いと思いますが、「高校2年の夏まで学年ビリのギャルだった私が、塾講師と出会い、慶應義塾大学に合格」の、あの「ビリギャル」で知られるようになった方です。
小林さんは、ご自分の体験を受験の成功物語ではなく、「自分なりに『わくわく』できることを見つけた物語」だと受け止めてほしいとおっしゃいます。
彼女は小さい頃から、いつもママに「わくわくすることを自分で見つけられる力を持って欲しい」と言われたそうです。
そして、なぜ自分が学年ビリだったかということと、なぜビリから脱出できたのかについて、「わくわくできる目標が慶応大学に見つかった」からと告白するのです。
この「わくわくを自分で見つけられる力を」に、深い共感を覚えます。

小林さんのメッセージを続けましょう。
さらに彼女はこうも言います。
「全国の講演で中学生や高校生にであうと、みんなまじめで良い子が多いし、私のようなギャルなんてほとんど見かけません。でも、大人になることや社会に出ることに対して、プラスに考えている子がとても少ないと感じます」。
そう、そこそこ勉強ができて、優等生。
でも、「そこには真の希望が少ない」のです。
「あなたの希望は何?」と聞かれたときに、堂々と「私の希望は○○です。私は○○になりたい!」と言えることができる中高生に育ててほしい。
これこそが、乳幼児期の子どもといる皆さんへのメッセージだと思います。

幼児期の子どもには、夢がいっぱいあります。
「大きくなったら」と聞かれたら、「ボクは○○に」「ワタシは○○よ」と、次から次へと希望のことばが湧いてくる子どもたちです。
これって、ホント大事!
なぜなら、「幼児は夢をつむぐお部屋」なのですから。
子どもたちに夢をいっぱい蓄えてもらいましょう。
もちろん幼児期の夢は変わっていくことでしょう。
夢見た自分とは違った大人になることが多いでしょう。
でも、「夢をつむいだ体験」はなくなりません。
それが源泉となって、「『わくわく』を見つける力」につながるのです。

さあ、大事なことは、やっぱり「私たち大人の、子どもへの『まなざし』」です。
パパやママの子どもへのまなざしで、子どもたちの育ちは大きく変わると思います。
今、私たちの子どもは、「夢をつむぐお部屋」にいます。
つい、できること関心が向き、できることが増えることを喜びがちですが、やさしくあったかく見守ってくださいね。
この子どもたちの希望を、ぺしゃんこにしてはならないのです。  [園長 飯塚拓也]

12月のこころ…「まなざし」で子どもは育つC

  • 2017年12月04日(月)

「子どもの育ちが健やかなものとなるために」と、児童精神科医の佐々木正美先生は「はじまりは愛着から」の中で、「母性とは、父性とは」のテーマでこのように書いています。

まず、母性性を必要なだけ充分に与えること。
そのあと順次、父性性が機能していくことが何より重要です。

誤解のないようにと思うのは、「父親と母親がそろっていなければ、子どもは健やかに育たないということではない」ということです。
ついこの点で引け目を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで言う「母性」「父性」とは、「的」を付けて考えるもので、「母性的」「父性的」ととらえることを言っています。
つまり、ママでもパパでも、「母性的と父性的」の両面を子どもに与えることができ、一人でも健やかに育てることはできるからです。

話しを進めましょう。
この佐々木先生の指摘から、二つのことをまとめてみます。
一つは、「母性とは?」「父性とは?」です。
「母性」とは、「安らぎのもと、心のよりどころ」をもたらすもので、子どもを『受容』『許容』『承認』するものです。「そのままでいいよ」という安らぎ、子どもがほっとできる体験を充分にさせてあげるものです。
この「母性」によって、子どもは、自分があったかく、やさしく、やわらかな手で包み込まれていることを実感します。
「父性」とは、「規律、約束、努力」をもたらすもので、子どもが大きくなるにつれて身につけるべきものとして教えるものです。決まりや約束を破ったり、努力を怠ったりすれば、それはいけないことと教えられる中で育ちます。

もう一つは、「母性、父性は順序が大切」です。
「母性は、安定感や安心感のもととなるもの」ですから、これが子どもの基盤となるものです。
安定感や安心感がないと、子どもはいつも不安な状態、不安定ですから、新しいことを身につけようにも身につきません。
対人関係を築くのにも、課題を残します。
逆に、安定感や安心感がしっかりと育っている子どもは、たとえうまくいかなくても、上手にできなくても、状況が厳しくても、前向きに生きていけます。
「父性は、集団性や協調性、規範性のもととなるもの」ですから、これが育っていないと社会では使いものになりません。
いつも言っていることですが、いくら勉強ができても独りよがりでは社会で通用しないのです。
こう考えると、『まず、母性。それから、父性』という順番があることに気づきます。
「『母性』をベースとし、それに『父性』がのっかって、子どもは育つ」ことが、「健やかな育ち」であることを、今月はみんなで確認しましょう。

友だち関係がうまく築けないと心配するときに、親子関係はどうかなと振り返ってみましょう。
頑張ろうとしないと心配するときに、安定・安心はどうかなと振り返るのです。     [園長 飯塚拓也]




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