育ちのこころ2022年1月号
12月の育ちのこころで、「クリスマスには『愛』がある」とお話ししました。
それは、「おめでとう」は「お愛でとう」。「愛でる」に、「お」を付けます。つまり、「愛されていること」が、「おめでとう」の内容っていうことです。
この「愛されている」ことが、実は幼児期において最も必要なことです。
「ワタシは愛されている」という実感が、子どものこころとからだの安定の基盤になります。
そして、この「ワタシは愛されている」が、子どもの興味・関心・意欲を、強め、広げるのです。
この順番が逆になっていることがあるかもしれません。「上手にできたら、愛してあげる」「がんばったら、ね」と。
 
でも、間違ってはいけません。「愛すること」は、決してご褒美ではないのです。「愛すること」を、ご褒美にしてはいないかな?
 
『人は、もともと、上を目指したいという本能を持っている』といいます。『向上心』です。 この『向上心』が、人類が文明を発達させた原動力と言われます。
子どもだって同じです。
「面白そう!」「やってみたい!」は、もともと子どもは持って誕生しています。
問題は、その『子どもなりの、上を目指したいという本能』を、大人が阻害してはいないか?なのです。
条件付きで愛することやご褒美としての愛することは、その「本能の阻害」となるのです。
 
だからね、いっぱい愛してください。何よりも、まず、愛してくださいね。
愛されているからこそ、子どもは頑張れるのです。 そして、「愛された」は貯金できるのです。
 
子どものときの「愛された」が、その後、大人になっても、活きるのです。  『考える余地を残す五ヵ条』があります。
 
その第1条は、「子どもの安全基地になること。心理的絆をつくりあげること。」。 ママやパパの存在は、子どもにとっての「安全基地」です。
何かあったときには、安全基地に戻ってきて、そこで休み、こころを落ち着かせます。そして、落ち着いたら、再びそこから出ていくのです。
 
まるで、飛行機が空を飛んでから飛行場に降りるように。船が海を渡ったのちに、港に戻るように。 私たちは、自分が戻れる場所があるから、頑張れるのではないかな。
そして、一番悲しいことは、戻れる場所を持たないことなのではないかな。
ママやパパは飛行場、港。いつでも子どもが戻って休めるところでいてくださいね。
 
(園長:飯塚拓也) 
紹介MOVIE

カテゴリー(バックナンバー)

Top